相変わらずのようでいて、実は前に進んでいたりして 黒咲練導「放課後プレイ2」

 これはまたどえらい4コマ。もういろいろと語るべき箇所が多すぎてどうにもこうにも、なんだけど、でもまあとりあえず、普通に一つの青春・恋愛物語としてすばらしい出来だったと思う。特に後半。

 四コマだけど、起承転結全く無し。8Pまるまる主人公が漫画描いてる描写のみなんて話すらある。まさか4コマにこんなアプローチがあったとはなあ、という驚きが1巻以上に高まっているのは、物語と演出がジャストでかみ合っているからではなかろうか。

 読者にマニアックなオタク的知識があることがあたりまえのように前提ってのもすごい。知らないゲームとかの会話してるときは完全にこっちは置いてけぼりだ。そのかわり、ネタがわかるときは、本当に友達同士でだべっているときのようなスムーズさで台詞が中に入り込んでくる。

 しかしまあ何より重要なのは、普通にすんごく良い青春物語やってるんだよ、これ。創作してる人なら誰でも感じたことあるような感情が丁寧に描かれていて、そこに恋愛も絡んでくる。まさかそんな方向に行くなんて、前半では思っても見なかったけど。一個の物語としてとても上手く出来てる。エピローグ的描き下ろしも爽快。

 あー、だめだ、やっぱり何行ってもズレてる気しかしないわ。もういいよ。読んでよ。読もうぜ。「放課後プレイ2」。世界に革命を起こすくらい新しくて面白い4コマ漫画だから。人選ぶ漫画ゆえ、合わなくても責任は取らないけど……