2014年 好きだった曲ベスト20

 あんまり言わないですが音楽聴くのが趣味の一つです。軽く調べたら去年は1400曲くらい買ってたみたいです。
 で、その中から特に好きだった曲を20ピックアップしました。軽く順位もつけてます。僕がランキング大好き人間なので。
 では、どうぞ。

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コミティア110参加告知

 告知です。サークル「淡く眠る猫」は明日23日にビッグサイトで開催されるコミティア110に参加します。
 新刊として、オリジナル漫画「お返しにはペンシルパズルを」の第1話を発表します。
 漫画です。いつもの4コマレビュー本ではありません。漫画です。

 原作は今年5月に発表した同名の短編小説です。これを元に、2名体制でコミカライズしました。
   原作・構成・ネーム:水池亘
   演出・作画:副嶋俊和
 副嶋さんは二年ほど前に佐多椋さんと組んで「人殺しと視た悪い夢」という作品を発表したことがあり、それを僕が気に入っていたことから今回の企画が実現しました。楽しそうに描いてるなあということがとてもよく伝わってくるイラストや漫画を描く方です。新刊も、だいたい副嶋さんの力が8割です。
 本の仕様は以下のようになります。

サークル「淡く眠る猫」 ブース:き59b


新刊「お返しにはペンシルパズルを」#1
 カラー表紙込み20P 本文13P+コラム1P 200円(たぶん)

 主に僕の仕事が遅れたせいで本文13ページしかありません。本当にプロローグという感じですが、一応第1話として区切りをつけています。コラムは今回はニコリについて書いています。
 本作は今後のコミティアで随時続編を発表していき、最終的に一つの本にまとめる予定です。一応、一年後には完結しているのでは……(どうだろう)。お付き合いいただければ幸いです。


 明日はビッグサイトでお会いしましょう。それでは。

これが彼女の食とエロと創作――湖西晶『〆切ごはん』

本当の本当の追い込みの時って サンドウィッチすら無いよね!!(P104)

 ないです。(マジで)


 湖西晶『〆切ごはん』がすばらしく面白い。これが今のきららに載ってる事実には奇跡すら感じます。僕の中では連載開始から話題沸騰だったんですが世間的にも話題沸騰にならなきゃ嘘だろって思うので単行本発売を機にレビューします。

 本作の内容を短くまとめると「19歳の女流エロ漫画家・三縞ゆかり先生(かわいい)が仕事したり妄想したり自炊したりしながら一人暮らしする話」。たまに妹(かわいい)とか新人女性編集者(エロかわいい)が絡んだりもしますが、基本的にはゆかり先生の生活と思考をメインに描かれています。
 なんだ、最近流行のネタを詰め込んだだけじゃん、と感じる人もいるかもしれません。しかしそういう安易な姿勢から生まれた作品では絶対にないと断言できます。なぜなら間違いなくゆかり先生=湖西晶本人だから
 いやもちろん湖西晶は19歳じゃないし一人暮らしでもないしエロ漫画家でもないです(最後だけちょっと微妙)。けれどそういう設定的なことじゃなくて、魂のレベルで明らかに作者の分身なんですよ。それは何より彼女の言動が物語っています。

ほら私ってお腹空くとダメな人じゃないですかぁー(P14)


生魚の後は絶対コーヒーだよねブラックでホット(P23)


清楚でそういうの無縁な人が照れながらエッチな話とか(中略)うわーうわーうわー(P38)


コミケに一般参加して)すっごい力の有る作家さんいっぱい こんな中で描き手として参加しないで 何やってるの 私(P68)


やっぱレバニラは揚げるかどうかで全然違うよね(P78)

 どうですかこのリアリティ。いちいち実感に溢れてる、溢れすぎている。
 つまりこれは自分自身をそのまま描いた漫画なんです。普通なら絶対人に見せたくないようなところも、まるごと。「絶対にコレが面白い!」という確信と、恥部をさらけ出す覚悟があって、初めて可能な仕事です。
 じゃあエッセイでいいじゃない、と思いますか? でもエッセイには実現できないことがあります。それは「理想郷を描く」ということ。言ってしまえば、19歳の女流エロ漫画家(かわいい)なんて現実にいるわけないし(ないよね?)、オクテの新人編集者が成年向けに配属されるなんてこともありえない(ないよね?)。全部ファンタジーなんですよ。でもそこには、作者の分身たるゆかり先生がいる。たしかにそこで生きている。たったそれだけのことで、理想郷は現実になる。なるんです、本当に。
 僕は『神のみぞ知るセカイ』という漫画がとても好きで、特に序盤から中盤まではものすごい新しさに満ちた作品だと思っているんですが、あれは学業優秀かつエロゲーマニアだった作者がその経験を120%ぶち込んで作り上げた桂木桂馬というキャラクターがいたからこそ成立したフィクションでした。それと同じものを『〆切ごはん』には感じます。キャラが生きているって、やっぱり一番大切なことです。

 湖西晶という作家からこんな発明感のある漫画が生まれたということに、正直驚きを感じています。代表作『かみさまのいうとおり!』は強引な下ネタという特徴はあるものの、基本的には王道のきらら系コメディでしたし、近作『うしのこくまいる!』はそこにビターな設定と切ないストーリーを持ち込んだ、順当なアップデートという印象の作品でした(かなりおすすめ)。それらに対して『〆切ごはん』は、なんというか、レイヤーが半分くらいズレている。おそらく、あまり読者のことを考えていないような気がするんですよね。自分の面白いと思うことをただそのまま書きました、というような軽やかさがあって、ほどよく力が抜けているのを感じます。もしかしたら、この発明っぷりも作者の想定外だったんじゃないかなあ、なんて、それほどに自然体の作品です。
 覚醒したなあ、と書いてしまうと失礼ですよね。でも本当に、嬉しかったんです。人間の進化には際限がない。

短編小説「メロンだったら良かったのかもしれない」Kindle版の公開

 短編小説「メロンだったら良かったのかもしれない」をKindleにて公開いたしました。

メロンだったら良かったのかもしれない

メロンだったら良かったのかもしれない

 価格は100円ですが、16日まで無料キャンペーンを行っていますので、興味のある方は期間内にダウンロードしていただければお得です。

 以下、冒頭を抜粋します。

 一年ぶりに会った彼女はスイカになっていた。
「見て見て、ゆーくん。私、美味しそうでしょ?」
 緑色に輝く彼女の姿を見て、僕は自分の間違いを思い知らされた。
 人は、なろうと思えば何にだってなれるのだ。

 これは、スイカになった幼なじみと僕の、ある夏の日々について描いた作品です。

 今から8年ほど前に同名の掌編をネットの企画「千文字世界」に投稿したことがありまして、ありがたいことに一番人気をいただいたのですが、それからずいぶんと時が経ち、今ならあの話をもっとふくらませることができるかもしれない、より面白いものにできるかもしれないと思い立ちました。

 現時点での僕の小説作品として、最高のものができあがったと思います。


 また、別作品ですが僕の短編小説「お返しにはペンシルパズルを」が掲載されたアンソロジー「幻視コレクション 想い焦がれる追憶の行方」もAmazonにて販売中です。

幻視コレクション 想い焦がれる追憶の行方

幻視コレクション 想い焦がれる追憶の行方

 非常に評判が良いようでして、ありがたい限りです。
 こちらの方もよろしくお願いいたします。

なぜライトノベルにはきらら的日常系が存在しないのか。

 4コマ漫画が好きです。
 特に“きらら系”と呼ばれる、かわいい女の子たちがかわいくキャッキャウフフするかわいい日常を描いた作品群が大好きです。癒されます。

 ところで僕はここ数年ずっと不思議に思っていたことがありました。
 なぜライトノベルの“日常系”には必ず男が出てくるのだろう?
 いや、全部、というのは僕の狭い観測範囲の中でのことで、具体的にはアニメ化作品しか知りません。「僕は友達が少ない」とか「生徒会の一存」あたりですね。もしかしたら「化物語」も含まれるかもしれません。
 僕は普段全くラノベを読まないのですが、少し気になって「僕は友達が少ない」の1巻を購入しました。たしかによく出来ています。面白いですし、何より突き抜けている感覚がある(あとブリキ絵の精神病んでそうな目つきが好きです)。人気になるのも頷けますが、やっぱりこれはハーレムものです。小鷹という少年の周りにかわいい女の子たちが集まってくる話です。その上で「愉快な日常」を描いている。


 きらら系作品は、男キャラが出てこないほうが多いです。
 例えばアニメになった作品だけ見ても「ひだまりスケッチ」「かなめも」「けいおん!」「GA」「キルミーベイベー」「ゆゆ式」「きんいろモザイク」「桜Trick」「ご注文はうさぎですか?」など、全て女性キャラしか(ほぼ)登場しません。明確な例外は「ドージンワーク」と「あっちこっち」のみです(「夢喰いメリー」もそうですが、あれは原作が非4コマでなので事情が少し違います)。
 また、この傾向はきらら系以外にも派生していて、「のんのんびより」のヒットなどは記憶に新しいところです。
 これはもう一つの大きな流れになっていると僕は感じていて、だから流行に敏感なライトノベル界隈でもそういった作品がすでにわんさか生まれているに違いないと思い込んでいました。
 でも、ない。
 僕の見るかぎり、どうやらそんなものは存在していないようなのです。(単に僕が知らないだけという可能性も高いので、あるなら誰か教えてください)


 僕は「これはひょっとしてチャンスなんじゃないか」と考えました。
 ラノベに日常系が存在しないのならば、自分が書いてしまえば良いではないか。完成すれば、きっと話題になるに違いない。
 言い忘れてましたが、僕は小説を書くのが趣味でして、電撃大賞に投稿したりネットにアップしてたりします。
 で、書きました。
 書けませんでした。
 客観的にも、主観的にすら面白いものにはならず、途中であきらめて筆を折りました。
 これはもちろん僕の実力不足でもあるんですが、しかしその経験を経て、僕は漫画と小説の間に横たわる、深い深い溝というものに気づいたのでした。
 いったいそれは何なのか?


 まあ、答えは単純なんですが。
 漫画と小説では、視点の扱いかたが根本的に異なる。
 これが、ラノベにきらら的日常系が存在しない理由です。


 漫画というものは、神の見た光景を描くメディアです。
 神という言葉が不適切ならば、カメラと置き換えてもかまいません。要は物語に登場しない第三者的視点から切り取った場面のみで構成されているということです。いわゆる「神の視点」と呼ばれるものです。
 そのため、基本的に語り手というもの自体が存在せず、全登場人物をフラットな視点から眺めることが可能です。だから複数のキャラの心情を同一シーンで描いてしまっても不自然さが生まれません。これは漫画ならではの稀有な特徴と言えます。


 対して小説というものは、ある個人の見た光景を描くメディアです。
 小説においては明確な語り手が存在します。それは三人称の作品であってもです。基本的に一つのシーンごとに一人の人物に同化し、彼/彼女の視点を基準に物語が描かれていきます。「複数のキャラの心情を同一シーンで描く」ということは、小説ではタブーとされることが多いです。
 この特性から、小説は人間の感情を深く描くことに適していると言われています。小説ほどの文字量は当然他のメディアでは扱えませんから、この点に大きなアドバンテージがあります。


 さて、きらら的日常系の特徴とは、いったい何でしょうか。
 それは女の子のかわいさです。
 女の子同士のきゃっきゃうふふです。
 何も起こらない愉快な日常です。
 それらを楽しむとき、僕たちは一人の傍観者となります。それは望んでそうなっているのです。決して、かわいらしい彼女たちのかわいらしい会話に混ざりたいわけではないのです。そんなことをしたら、あの美しい空間はぶち壊しです。
 しかし小説というメディアは、その原理上、登場キャラの一人に憑依しなければなりません。
 自分がゆのに乗り移る? 澪に乗り移る? 縁に乗り移る?
 そんな、とても、とても、とても。
 でも小鷹に乗り移りたい人はきっとたくさんいるでしょう。
 つまりは、そういうことです。


 それでもワンチャンあると思うんだよなあ、ラノベできらら系。
 誰か挑戦してください。誰もやらないようなら、もう一度僕が頑張らねばならなくなります。

「きらら系4コマレビュー120」電子書籍版公開(Amazon)

 どうも、水池です。


 昨年の夏コミで発行した同人誌「きらら系4コマレビュー120」の電子書籍版をAmazonにて公開いたしました。

きらら系4コマレビュー120

きらら系4コマレビュー120

 価格は300円(税込)です。電子書籍向けに若干デザインを修正していますが、基本的には書籍版とほぼ同様の内容になっています。詳しくは上記のリンクをご参照ください。
(当初パブーで公開していたのですが、データのデザインに不満があり、公開を停止しました。ご了承ください)


 前々から電子書籍には興味があり、一度自分でも作ってみたいと思っていたのでした。まあ、実際のところ、この同人誌は未だ家にダンボール一箱分くらい在庫が残っているのですが……。
 とはいえ、タブレットスマホで気軽に見たいという需要もきっとあるだろうと思いますので、そういう方は、今回の電子書籍版をよろしくお願いします。

5/5 コミティア&文学フリマ 参加情報

 まさかの今年初更新です。すみません。

 5月5日にコミティア108と第十八回文学フリマがそれぞれ開催されます。今回ご縁がありまして、僕が参加した新刊同人誌二種が双方で頒布されます。片方は短編小説、もう片方は4コマレビューと、ジャンルが異なるので本来は別個の記事にするべきかと思いますが、せっかくの同日開催ですし(場所は違いますが)、僕が今どういうことをやっているのかわかりやすいかなあとも思いますので、本記事にて同時告知します。

コミティア108 https://www.comitia.co.jp/
5月5日 11:00〜16:00 東京ビッグサイト東4・5・6ホール


サークル名:4コマ同好会
スペース:F60b


【頒布物(水池亘参加誌のみ)】
新刊「4コママンガのススメ2013年版」 B5 48P 500円
委託(水池亘個人誌)「今こそ津留崎優の話をしよう。」 B5 20P 300円
委託(水池亘個人誌)「きらら系4コマレビュー120」 A5 72P 500円

第十八回文学フリマ http://bunfree.net/
5月5日 11:00〜17:00 東京流通センター 第二展示場


サークル名:雲上回廊 
スペース:Eホール(1F) D-05


【頒布物(水池亘参加誌のみ)】
新刊「幻視コレクション 想い焦がれる追憶の行方」 A6(文庫本) 200P 800円
新刊「ゆる本 Vol.19」 A5(コピー誌) 100円
委託(水池亘個人誌)「きらら系4コマレビュー120」 A5 72P 500円
(全頒布物はhttp://d.hatena.ne.jp/sinden/20140421/1398081699をご参照ください)

 以下、頒布物の詳細を書きます。


新刊「4コママンガのススメ2013年版」


 2013年に発売された4コマ漫画56作品を、4人(たっちーさんすいーとポテトさん八戸さん、僕)のレビューにより紹介する本です。また、これから単行本が発売される新人作家12名についても紹介しています。2011年から始め、今年でシリーズ3冊目です。ありがたいことに、過去二作は共に完売しています。
 今回は初の試みとして、レビュアー4人によるチャット座談会を収録しています。ぎっしり8Pのボリュームで、読み応えあります。
 なお、僕がレビューしたのは「ほめよめ」「ケイくんとアヤメさんがルームシェア」「琴浦さん」「女子大生生活様式」「プレフレ」「箱入りドロップス」「おじょじょじょ」「桜Trick」「わさんぼん」「うしのこくまいる!」「けんもほろろ」「晴れのちシンデレラ」「でかポメ」「わかば*ガール」の14作品と、新人作家として塀さん、青田めいさん、篤見唯子さんのお三方です。
 今年はデザインも一新して今までより遥かに読みやすくなっていると思います。ぜひともお手にとっていただきたいオンリーワンの一冊です。よろしくお願いします。


新刊「幻視コレクション 想い焦がれる追憶の行方

 サークル雲上回廊主催の秋山真琴さんが責任編集となって編纂された、短編小説のアンソロジーです。詳しい内容は特設サイトをご覧いただくのが早いかと思います。
 僕は「お返しにはペンシルパズルを」という作品を書きました。僕は数独スリザーリンクといったペンシルパズルを解いたり作ったりすることが趣味の一つなのですが、その経験を元に、ペンシルパズルの未来について書いた小説です。とはいえパズルに全く詳しくない方でも問題なく読めると思います。少しライトノベル寄りの作風で、収録作品の中では最もわかりやすいとの話も。
 冒頭のシークエンスが公開されていますので、ぜひお読みになってください。
 秋山さんは「面白い物語を集めることに全力を尽くし、面白い物語を求めている読者の期待に応える、間違いのない一冊」として本書を作り上げました。僕の作品も、編集者である秋山さんとのディスカッションを経て、当初の想定を超えて良いものになりました。本書そのものが秋山さんの作品であると僕は思います。客観的にも大変おすすめの本ですので、ぜひお買い求めください。
 なお、今後は各種通販の予定もあるようです。また、コミティアでも、佐多椋さんのサークル「script.」(P60b)にて委託販売されます。


 その他、コミティアでは昨年制作した個人誌「今こそ津留崎優の話をしよう。」「きらら系4コマレビュー120」を委託頒布いたします。詳細はリンク先の通販サイトをご覧ください(値段は通販価格になっています。実際は各300円、500円です)。また、後者は文学フリマでも委託頒布していただく予定です。


 というわけで、やや複雑なことになっていますが、まあビッグサイトと流通センターは30分ほどしか離れていませんので、両方のイベントをはしごすれば良いと思います。
 僕は今のところ、15時ごろまではコミティアのブースで売り子をし(途中不在の時間もありますが)、その後16時ごろに文学フリマに入場する予定です。
 当日がとても楽しみです。重ね重ね、よろしくお願いします。