500文字の心臓「スクリーン・ヒーロー」結果発表

 自作は○3△2×1という予想外の健闘ぶり。しかも評をくださったのが、sleepdog五十嵐彪太松本楽志ハカウチマリその他超短編界を代表する方々だったことがますます嬉しい。
 選評にも書いたけど、正選王の作品は個人的にはあまり面白くない。いや描かれている情景は面白いのだが、文章のリズムが悪いと思う。やっぱり短いとリズム合わないだけでもう読めなくなってしまう。あと「スクリーンヒーローに会いたいな」という台詞の不自然さがどうしても許せなかった。風呂でテレビ見て「スクリーンヒーロー」という単語はまず出てこない。そういう世界観なら良いけど、この作品は日常が一瞬で非日常へと転ずる妙が面白いのだから、前半部分はとことんリアルに徹するべきだったと思う。
 という感想をここに書けば、自分の考える超短編のスタンスを伝える一端になるのではないかというテスト。もっと全てを論理的に構築したいといつも考えてはいるのだが。
 自作についてははやかつさんの「場面としては魅力的だが超短編としては微妙」という評価がたいへん妥当。超短編に必要だと勝手に思っている「そこで文章が終了する必然性」に乏しいと感じていた。超短編は一個の作品なのだから、世界の広がりは備えつつも、「ああ確かにここで終わるべきだ」と読者に感じさせなければならないと思っていて、今回の作品はその条件を満たしていない。だから自己評価はそんなに高くない。これよりは黒い羊のほうが好きだ。しかし自己評価と周囲の評価は一致しない不思議。
 で、実はこの作品の長編化を考えている。最近なんとなくSFが書きたくなっているのだった。4月締切の電撃大賞に送るつもり。