若木民喜「神のみぞ知るセカイ (3)」
- 作者: 若木民喜
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/01/16
- メディア: コミック
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微妙にバトルもの的展開を取り入れたり、まだ前作に未練があるんでしょうか。まあ単に必要上入れただけだと思いますが。そしてそういう展開に限ってあまり面白くないんですよねえ。やっぱりこの人には向いてない気がします。
主人公である桂馬のキャラが全て、と言ってしまって良いと思えるほどに特異なキャラであります。ここまで完全に現実世界を切って捨てている人物が主人公って、前代未聞では? 例えば不良に絡まれてボコボコにされても桂馬は「痛い!」以外の感情を抱かないんですね。不良に対して憎しみの感情を持つのが普通だと思うんですが、単に「運が悪い」くらいにしか思わない。そして助けてもらっても「被害が少なくてすんだ」と考えるだけで感謝の念など1ミリもない。そういう普通に考えれば全くいけ好かない人物がきちんと主役を張っていて、格好いいし魅力的に見える。これはちょっとすごいことですよ。作者は相当気をつかって描いているんでしょうね。
まだまだオムニバスでやっていくみたいですが、エルシィの同級生の悪魔が出てきたりして、今後の展開を考えている素振りも少しだけ見えます。とにかくラストが気になるんですよ。というか期待してしまうんですよね。今まで攻略してきた女の子達が再登場して重要な役割を担う、的な(どうやら次の話でそういう展開あるみたいですが)。そしてエルシィとの関係はどうなるのか。まあ、気の早い話ではありますが……