西洋骨董洋菓子店〜アンティーク〜 レシピ1

 よしながふみの原作はここ五年で読んだ漫画の中で迷わずベストに推すくらい好きなのですが、だから期待も不安も半分くらいあったわけです。
 で、まあ見る。
 なーんか、普通の出来だなあ、という感じ。
 単に原作のストーリーを用いただけの別物ですよね、完全に。少なくとも、よしながふみの漫画をアニメ化しよう、という方向には全く向かっていない。そうでなきゃキャラの思考を一々モノローグで語らせたりなんてしないでしょう。
 でもそれだと普通になって当たり前なんですよね。だって別にこの作品、ストーリーのみ取り出せばそんなに凄いことやってるわけじゃないですから。よしながふみがあの独特の行間を読ませる的書き方をするから、輝きを放つわけで(もちろんそれを重々承知の上で用意された、その意味では計算され尽くしたストーリーなんですが)。それをいわゆる通常のアニメ的演出でやられても興味はねーよ、と。時系列的にまんま初めっからやったのもどうなの?
 まあ、よしながふみのアレをそのまんまアニメでやれと言われても、それは酷に過ぎるか。
 漫画とアニメは別物という考えの僕ですから、原作のまんまやれとか、特に言いませんが、でも、その原作を持ってきた「意味」は濃厚にあって欲しいとは思うわけです。その観点から言ってもあまり評価は出来ないなあ、という感覚でした。
 これ見ただけで原作読んだ気になっている人には声を大にして言いたい。原作は、本当に傑作で、そして「漫画」なんだよ!
 CHEMISTRY担当のOP、EDはどっちも良かったです。良曲だし、映像には工夫がある。特にOP曲はピコピコでキラキラな編曲が好み。なんとこの二曲、メロディが同じなんだって。全然わからなかった。