木村紺「巨娘 (1)」

巨娘(1) (アフタヌーンKC)

巨娘(1) (アフタヌーンKC)

 実は出てすぐ買ったのですが、半分読んだとこで放置してしてたのでした。だってこれめちゃめちゃ疲れるんだもの。久しぶりに手にとって一気に後半読んだけど、それでも一時間半くらいかかったです。
 とにかくこの密度がただ事じゃない。一話一話がハチワンダイバーの一巻分くらいあります(いやハチワン大好きですけど)。これ二ヶ月に一本書いちゃうの? 嘘としか思えねえ。漫画としては完全に型破りで、マジモンの三人称をやる離れ業を見せてますが(読めばわかります)、しかしそれでもぐいぐい読めちゃうのはキャラの立ち方が空前絶後のレベルだから。こんな奴ら見た事ねえです。ぽっと出の脇役まできちんと魅力的なこれはもう作者の気配りのたまものでしょう。そんでもって全編パワーフル回転。突っ走らないパワフルさってのが存在することを初めて知りました。読めば間違いなく見たことのない、見なかった方が良かったかもしれない世界へ叩き込まれること請け合い。
 はあー、ため息。天才の作です。嫌んなっちゃうね、もう。