水上悟志『惑星のさみだれ (1)』
ある朝、平凡な大学生であるはずの雨宮夕日が目覚めると、そこにはトカゲがいた。
- 作者: 水上悟志
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2006/01/27
- メディア: コミック
- 購入: 26人 クリック: 275回
- この商品を含むブログ (205件) を見る
「我輩は騎士である。世界を滅亡から救うため貴公の力を貸して欲しい」
しゃべった。
そしてお隣さんの少女・さみだれは可愛くてめちゃくちゃ強い。
うーむ。ちょっとついていけないかもしれない。
序盤におけるキャラクターたちの心理の動きがまったく理解できない。いろいろと唐突な印象。後半のエピソードを読めば「あれはこういったバックボーンがあったからなんだな」と理解できるようにはなっているのだが、そういう構成なら構成でもうちょっと不自然でない描きようがあるのではないかと思う。基本的に夕日の一人称視点で話が進むので、余計に違和感は強い。
件の後半のエピソードというのが第6話「騎士と契約」なのだが、この物語は出色の出来。これだけなら★★★★☆レベルである。水上悟志は短編の名手であるらしいのだが、それも納得。長編のはずであるこの漫画も、印象的なエピソードは全て短編としておもしろいのである。もっと長編ならではのダイナミックな展開を期待する。せっかく、世界がどうしただのというスケールの大きな設定なのだから。