『練馬大根ブラザーズ』第1話「俺の練馬大根をおさわりください」

 公式サイト:http://www.ndbrothers.com/
 『はれときどきぶた』『エクセル・サーガ』の問題作でおなじみ、ワタナベシンイチ監督の最新作。シリーズ構成も『はれぶた』の浦沢義雄であるから内容は想像がつくというもの。ふたを開けてみればやっぱり大体想像通り、勢いとノリのみで突っ走るストーリー無視の不条理アニメだった。骨の髄までナベシンである。
「ミュージカル・アニメ」とはどんなもんかと思っていたのだが、1話だけでも10曲以上の曲が使われていて、キャラたちは歌って踊って大忙し。確かにこれはミュージカルだ。静止している画がほとんどなく、とにかく誰かしら何かしら動き回っている。それを観ているだけでも楽しい。
 主役3人の声優も好演。中でも森久保祥太郎の一人だけローテンションな演技は良いアクセントになっていてすばらしい。クセになる感じの声である。松崎しげるはまさに適役で、このアニメのノリにビタッとはまっている。松本彩乃は紅一点らしい紅一点。声質が華やかで良い。
 全編すさまじいまでの高濃度圧縮っぷりで、疲労すること間違いなし。観るほうも、作るほうも。この調子で1クール持つのだろうか。それだけが心配である。


 アニメスタイルスタッフインタビューが大変興味深い。このスタッフでなければこのアニメは生まれなかったということをいやと言うほど思い知らされる。「ちょっと儲かったから好きな企画やろうか」と言ってこんな企画立ち上げたアニプレックスのプロデューサーは一番の立役者だろう。すばらしい。