the pillows『MY FOOT』

MY FOOT

MY FOOT

 また一つすさまじいアルバムが誕生してしまった。


 いつものことながらピロウズはこちらがどれだけ期待しても、それを軽々と超えてしまう。期待しすぎることが原理的に存在しないバンドなんてめったにあるものじゃない。
 山中さわおがインタビューで語っていた「ツインギターの強調」は聴いて納得。確かに2つのギターがしっかりと分かれていて、互いを保管するような編曲になっている。心地よい。
 ピロウズのアルバムにおいて重要な位置であるラス前(ここに中心曲が来ることが多い)の「さよならユニバース」がやはり神曲で、最後では不覚にも泣きそうになってしまった。系統的には「白緑赤黒」が近いだろうか。一曲目の「MY FOOT」は僕があまり好きでないほうのピロウズなのだが、それでもしっかりと聴かせるあたり流石である。サビの歌詞だけを見ると底抜けに明るいのだが、その他の部分の歌詞をかなりネガティブにすることで、サビの歌詞に裏の意味を持たせることに成功している、と思う。その他の曲も全て印象に残る良い曲で、まさに完璧。
 ここ数年のピロウズのアルバムの中でも随一の完成度ではないだろうか。『GOOD DREAMS』のときも同じこと思ったけれど。
 これで半年は戦える。