小箱とたん『スケッチブック 出張版 (1)』

スケッチブック 出張版 (BLADE COMICS)

スケッチブック 出張版 (BLADE COMICS)

 スローライフ四コマ『スケッチブック』の番外編。ショートコミック形式で、ラジカセが直ったり雨の山で虫を眺めたり合宿に行ったり猫がしゃべったりします。

 本家のほうはストーリー無しの四コマでしたが、こちらはショートコミック形式でストーリーを作っていることで差別化を図っているようです。確かにあれだけいい感じのキャラを何人も作ったら、そりゃあストーリーだって作ってみたくなるわなあ、なんて思いながら読んでいたのですが、途中から本家ではほとんど出てこない猫たちがうだうだとしゃべるだけの話ばかりになっていって、特にそういうわけでもなかったのかもしれないと思い直しました。
 個人的ベストの話は「美術部の合宿」。ここに見られる感覚は、ちょっとヘンな人が集まる部活に入ってしまった(そしてなじんでしまった)人ならば確実に感じたことがあるだろうもので、その中の一人である僕はこの話を読んでちょっとセンチメンタルな気分になりました。ぽけーっとした空の表情が良いです。後半の猫語りシリーズも良く分からない感じにシュールでおもしろい。大満足の一冊でした。本家とあわせてどうぞ。