ACIDMAN『and world』

and world(初回生産限定盤)

and world(初回生産限定盤)

 すさまじいアルバムである。
 他の凡百のバンドを尻目に、ACIDMANは深い深い世界へ潜り込んでゆく。その音楽は一度聴いたくらいでは全てを理解することはできない。何度も何度も繰り返し聞いて、初めて体に染み込んでゆく。そして自らを深い世界へと連れて行く。自分の知ることのなかった広大な世界の手触りが確かにそこには存在する。


 前作『equal』の象徴が「廻る、巡る、その核へ」であったように、本作の象徴は間違いなく表題曲「and world」だろう。共に基本的に生命について歌った曲でありながら、受ける印象は逆である。前者が刹那的で無常を感じさせる「陰」だとするなら、後者は全ての生命をを包み込む広さを持った、どこか温かみを感じさせる「陽」。壮絶さとやさしさが同居したような曲で、聞きながら脳が震えた。