昨年聴いた音楽を総括してみる

 あり得ないくらい長くなったので暇な人だけどうぞ。最後にランキングあります。



ACIDMAN「LIFE」
APOGEE「Touch in Light」
Base Ball Bear「changes」
BUMP OF CHICKEN「present from you」
the pillowsPIED PIPER
THE PREDATORS「牙をみせろ」
Syrup16gSyrup16g
tacica「parallel park」
フジファブリック「TEENAGER」
マキシマム ザ ホルモン「爪爪爪|「F」」
☆ミドリ「あらためまして、はじめまして、ミドリです。」「セカンド」「清水」
音速ライン「風恋花凛」
相対性理論「シフォン主義」「地獄先生」
凛として時雨「Feeling your UFO」「Inspiration is DEAD」「moment A rhythm」「Telecastic fake show」「#4」
9mm Parabellum Bullet「Termination」「VAMPIRE」

 昨年もやっぱり一番聴いたのはロックだった。この中では何と言ってもまず凛として時雨。「Telecastic fake show」を聴いて一気に全アルバム買いあさったものである。自分の人生に今までなかったタイプの、ノリノリで切り裂かれるロック。この破壊を求めてたことに聴いて気づいた。何処までもクールで頭良いのも素晴らしい。個人的に、頭の良い音楽の方が好きなので。12月のライブも最高だった。
 相対性理論も挙げるべきバンド。古いようでいて明らかに新しいスタイル。やる気のないボーカルに実はかなりテクニカルなバックが被さり、そして歌詞の言語センスの凄まじさ。「北極星超新星流星群にお願いよ 誰か止めてあの子のスーサイド」「コントレックス箱買い」など、意味不明に見えて意味のありそうで、でもやっぱり意味なさそうで。年末に聴いた「地獄先生」は今見たらiPod再生回数166回だった。確実に進化していて中毒性がやばい。7日発売のニューアルバムは下手をするとすでに今年ベストになってしまいそうである。
 あとミドリも注目株。これは頭良いとは言いにくいバンドだけれど、その禍々しい情念の満ちた音楽に魅了された。最新作はかなり洗練されてきて、自分好みに進化していきそうな予感がある。
 その他では、9mmの良さに今更気づいたり、山中さわおはやっぱり好きだったり、たまにACIDMAN聴きたくなったり、tacicaは今年ブレイク確定だと思ったり(新曲素晴らしい)、そんな一年。 <ピコピコ系>
MOSAIC.WAV「Amusement Pack」「超妻賢母宣言」「ラストバトル!アキバトラー"μ"」「百合星人ナオコサン(2)」
Perfume「GAME」
ヒゲドライバーヒゲドライバー1UP」

 挙げた数は少ないが、聴き込み時間の長さではロックにひけを取らない。MOSAIC.WAVをアニソンではなくこっちに入れたのは、自分の考えるピコピコ系音楽の理想だから。超濃密度でピコピコで、それでも絶対的にポップ。やっぱりポップなのが好きなのだ。中でも「超妻賢母宣言」は傑作で、100回以上聴いた。それでも全く飽きない。そろそろインディーズでアルバム出す時期だろうか。
 Perfumeが、というか中田ヤスタカが大ヒットするというのは全く想定外だった。もちろん嬉しい。好みと別の方向に行ってしまったcapsuleに比べてPerfumeはポップである。キレの良い踊りも案外好きで、ライブDVDも買ってしまった。
 そして掘り出し物のヒゲドライバー。ニコニコで知ったのだが、ノリの良い中にも強烈な切なさを感じさせる音楽に一編にハマッた。歌詞がまた泣ける。今月出る2ndは相当良い内容のようで今から楽しみ。 <ネオ渋谷系あたり>
orangenoise shortcut「Hallelujah」
PARQUETS「パラボラ」
ROUND TABLE Feat. Nino「ナガレボシ」「恋をしてる」「Distance」

 ピコピコ系と微妙に被るが、とりあえずの分け方。昔から好きなグループが集まった。パーキッツの「パラボラ」は迷いなく昨年のベスト、だけでなくここ何年かでベストだし今後一生聴いていく音楽になる。ただ音楽を聴くだけで涙を流すという初めての経験をさせてくれた記念碑的作品。まあ泣いたのは4年ぶりの新作という点が大きいけど。orangenoise shortcutの活動休止は大変残念だった。何かしら新しい音楽を作ってくれることに期待。 <ボーカロイド>
◎absorb「桜ノ雨」
◎baker&kisk「REFLECTION」
☆CHEMICAL SYSTEM LE(cosMo@暴走P)「∞ -InfinitY-」「少女の空想庭園」
livetune(kz&かじゅき)「Re:package
◎LOLI.COM feat. 初音ミク「歌姫と恋の綻び」
OSTER project feat.初音ミク「みくのかんづめ」「マージナル」
☆ShibayanRecords(みくーんの人)「しゅがー☆ぱーてぃくる」
SupercellSupercell
○ちょむ工房「Trax Mint」「イイトコドリップ」
◎トラボルタ「TORABOTIC WORLD」
◎ゆや(ゆうゆP)「逆方向の街」「虹色の花」
☆19's Sound Factory「First Sound Story」
◎若干P「アイシンクアイシン」「キミリサイクル」
◎5/4TAKEPOD(デッドボールP)「Dead Ball Project vol.1」「Dead Ball Project vol.2」

 昨年の個人的トピックの一つがボカロを聴き始めた、ということである。単なる話題だけの時期を過ぎて、きちんとアマチュアが曲を発表できる土壌が出来上がったのが昨年だった。
 自分には「まだ世間に知られていない良いものを発見する」ことに対して喜びがあり、コミティアに通うのもその理由が大きいが、ボカロを聴くのも同じだろう。もちろん単に良い音楽を聴きたいという思いも強い。
 ボカロがなければ生み出されなかったであろう曲を作り続けるcosMo@暴走P、渋谷系っぽいオシャレ音楽ShibayanRecords、そして清く正しくクオリティの高いギターポップ19's Sound Factoryが特に印象に残った。あとCD未発売の中では若干Pの「アイシンクアイシン」。グランジ(?)のようなうねうねしたギターロック。ボカロ系で一番好きなのはこの曲。あいや、OSTERの「マージナル」の方が好きかもしれない。 <東方アレンジ>
○Innocent Key「東方スイーツ」
IOSYS「おさいせんとかのからおけ」「東方真華神祭」「東方想幽森雛」
○ShibayanRecords「Assortment Of Sense」
△SYNC.ART'S「天つ風」
☆TaNaBaTa「セツナライト」
いえろ〜ぜぶら「東方絢彩歌〜Touch of Air〜」
◎ゼッケン屋「Dry Eye Party」
岸田教団&The明星ロケッツ「Electric blue」「幻想事変」

 東方アレンジを聴きだしたのも昨年。ニコニコの影響もあるが、最大のきっかけはあにー率いるTaNaBaTaの「セツナライト」。このアルバムがまたストライクど真ん中の切ないロックで思いきりやられてしまった。昨年最も印象的なアルバムの一つ。同じくロックな岸田教団も良かった。IOSYSは「東方真華神祭」が素晴らしい出来。特に「オニのようにかわいく」は似非渋谷系な感じの中毒性のある曲で延々リピートし続けた。 <その他同人>
◎Albatrosicks「Planet Liberiation」「アルバトロシクス」
Asriel「REINCARNAT」「ガーネットの波紋に染まる空」「禁断を呪いし儚き幻想」「月光蝶舞う深紅の花園」「白い闇に沈む永遠の夜」「夢の繭紡ぐ盲目の輪舞」
eufonius「メトロクローム
△Primary「ぽぷり」
◎Team.ねこかん[猫]「S」
ピクセルビー「snowful」
◎岸田教団「星空ロジック」
岸田教団&The明星ロケッツ「LITERAL WORLD」

 Asrielと出会えたのがかなり大きい。近い音楽というと妖精帝國などだろうか。美しく流れるようなメロディ。そしてこの曲調なのにきちんとノれる。岸田教団はオリジナルでも気持ち良いロックを作るが、もう一つ何か欲しいのは欲張りか。eufoniusの同人作品は全体で一曲のような作りになっている。今作はおそらく最高傑作だろう。彼らの音楽は空気感が他と全く違う。eufoniusに代替物は無い。
 その他は、独特の雰囲気を持つTeam.ねこかん、個人的掘り出し物のピクセルビーイオシスはオリジナルの方が気合い入ってるよねAlbatrosicks、など。 <アニソン>
ケメコとデラックスケメコデラックス!
菅野よう子マクロスF O.S.T.1 娘フロ。
◎ゆの(阿澄佳奈)他「?でわっしょい
逢坂大河(釘宮理恵)他「プレパレード」
戸松遥motto☆派手にね!

 あんまりアニソンは聴かなかったと思う。特筆すべきは「プレパレード」。とらドラというアニメのOPにこの曲を持ってきたというだけで、アニメスタッフの気合いの入れ方がわかる。全然アニソンの主流じゃないテクノポップ路線なのに、とんでもなくキュートだから驚く。
 ひだまりの主題歌は相変わらず中毒性高し。かんなぎOPは落ち着いた王道。対してケメコははっちゃけすぎである。でもこっちの方が好きだ。 <その他>
Coldplay「Viva La Vida Or Death And All His Friends」
○Revo&梶浦由記「Dream Port」
Sound Horizon「Moira」
◎world's end girlfriend「Hurtbreak Wonderland」
らっぷびと「RAP BEAT」
栗コーダーカルテット「遠くの友達」
椎名林檎「私と放電」

 上手く分類出来なかったものたち。サンホラ新作はロマン厨の自分には合わない、と思ったら5週したあたりからどんどん良くなってきて、今では名盤と確信している。曲一つ一つを単体として切り離しにくい構造はクロセカのようでもあり。実はストーリーなぞ二の次の自分は「もっと曲を聴かせてくれ!」と思わないでもないが、サンホラ的構成が完璧にハマッた「冥王」は本当に素晴らしい。
 world's end girlfriendもらっぷびともニコニコ経由。前者は聴いたことのないジャンルだが、センスがすごく良い。後者はストレートなJラップ。気持ち良くて少し温かくなれて、言うことない。


・アルバムランキング(昨年発売限定)
1.PARQUETS「パラボラ」
2.TaNaBaTa「セツナライト」
3.相対性理論「シフォン主義」
4.19's Sound Factory「First Sound Story」
5.MOSAIC.WAV「Amusement Pack」
6.Sound Horizon「Moira」
7.CHEMICAL SYSTEM LE「少女の空想庭園」
8.eufonius「メトロクローム
9.IOSYS「東方真華神祭」
10.baker&kisk「REFLECTION」
次点.ミドリ「あらためまして、はじめまして、ミドリです。」


・曲単位ランキング(昨年発売限定)
1.凛として時雨「Telecastic fake show」
2.MOSAIC.WAV「超妻賢母宣言」
3.IOSYS「オニのようにかわいく」
4.相対性理論「地獄先生」
5.若干P「アイシンクアイシン」
6.OSTER project feat.初音ミク「マージナル」
7.逢坂大河(釘宮理恵)他「プレパレード」
8.ACIDMAN「FREE STAR」
9.トラボルタ「ココロ」
10.orangenoise shortcut「Sunshine Day ⇔ Rainy Day」
次点.Innocent Key「東方スイーツ! 〜鬼畜姉妹と受難メイド〜」