重野なおき『Good Morning ティーチャー (1)』

Good Morningティーチャー 1 (バンブー・コミックス)

Good Morningティーチャー 1 (バンブー・コミックス)

 熱血高校教師・東進太郎。その情熱あふれる指導で、個性豊かな生徒たちの良き指導者となっているようないないような。そして気になる同僚の女教師・山下陽子との明日はどっちだ!

 重野なおきは本当にすばらしい。考えてみれば、彼の作風はデビューの時点ですでに確立していたのだ。はずれがないのも当然かもしれない。
 現在6巻まで発売されている本作。重野なおきの諸作の中でも最多の巻数を見れば、この作品の人気がわかるというもの。確かに人気があるだけのことはある。
 最初のころはまだキャラクターが十分に立っていない上に絵も安定せず、正直しっくりこない面もあるのだが、後半、次第にキャラが立ってくるにつれて俄然おもしろさを増してゆく。よく考えてみるとこれはすさまじいことで、なぜなら重野なおきは十人弱のキャラクターのうちの大半を、たったの60ページ程度で読者に印象付けることに成功しているのだから。普通はこうは上手くいかない。
 個人的にお気に入りのキャラは、やはり、天然ボケすぎる女教師・山下陽子である。これほどまでに印象が良く且つ天然ボケとしてのレベルも高いキャラクターはあまりお目にかかれない。生徒たちの中では、単純なガリベンではまったくない天才・上原と、ファンシーな番長・飯田が印象が強かった。その他についても、好印象を抱かないキャラは一人もいないと言い切れる。イヤミな教頭だけはもちろん別だが。


 実はもうすでに5巻を手に入れて、間をすっ飛ばして読んでしまっているのだが、まさに絶好調といった感じで、1巻よりも確かにおもしろくなっている。脱帽するしかない。