僕もベストを選んでみよう的な(漫画編)
年が明けてしまいましたが、小説編に引き続いて今度は漫画編です。小説に比べて読んでいる量が全然違うので、どうしてもこちらのほうに力が入ってしまいます。昨年発売でない漫画も含まれていますがご了承ください。また、一作者につき一作にしています。
1位:よしながふみ『西洋骨董洋菓子店』
昨年ファンになった漫画家その1。描いた漫画全てが傑作という驚異的な漫画家。まさしく天才と言うほかありません。
2位:桑田乃梨子『おそろしくて言えない』
昨年ファンになった漫画家その2。主人公がいろんな手でいじられるというコメディの姿勢を貫きながらも、最後にちょっとだけほろりとさせる手腕が見事です。
3位:竹本泉『よみきり・もの』
昨年ファンになった漫画家その3。のんびり百合風味漫画『さくらの境』もいいけれど、竹本泉の全てがつまったこちらのほうを挙げてみました。
4位:近藤るるる『天からトルテ!』
瞬間の熱中具合では昨年最高かもしれない。ほのぼのしつつもどこかしら冷たい空気が漂う変な漫画。それはともかくグラニテはかわいいです。もちろんトルテも。
5位:林田球『ドロヘドロ』
誰も見たことのない世界を作りながらそれを遊んでしまうセンスのすさまじさ。
6位:袴田めら『最後の制服』
思考が突っ走りすぎる娘さんたちにドキドキ。連載ではさらにどえらいことになっています。
7位:山名沢湖『委員長お手をどうぞ』
山名沢湖の類まれなファンタジー的発想力に漫画としての面白さが加わったら鬼に金棒ですよ。
8位:高津カリノ『WORKING!! 』
昨年の四コマ漫画最大の収穫。ブラックでヘンテコでちょっとだけキュート。
9位:あさりよしとお『るくるく』
デビュー25周年にして最高傑作を書いてしまう作者に脱帽。たまに見せるシリアスさにガツンとやられます。
10位:松井優征『魔人探偵脳噛ネウロ』
異色すぎるミステリー漫画。知力も腕力も桁外れのネウロによる無理矢理な事件解決法は本当に心地よいです。このようなセンスを持った人が唐突に現れたりするからジャンプは恐ろしい。
11位:佐藤大輔/伊藤悠『皇国の守護者』
架空戦記もの。一瞬たりとも隙を見せることのないストーリーと絵がすばらしい。
12位:石川雅之『もやしもん』
菌が見えるという得意な設定を持ったキャラが主人公でありながら、小さな閉じた話にしかならないのが良いです。だらだら続く青春コメディで、いつまでも見ていたくなる魅力にあふれています。
13位:桑原ひひひ『きつねさんに化かされたい!』
きらら系の四コマ新刊ではもっとも光り輝いていた一作。アグレッシブなギャグのキレが抜群です。その上絵はかわいくエロい。
14位:土塚理弘/五十嵐あぐり『BAMBOO BLADE』
図らずも土塚理弘は原作に回ったほうがおもしろいということを証明してしまった一作。
15位:マツダ『電子遊戯黙示録』
表紙に引かれて買ったら中身もおもしろくてうれしくなりました。ベタを多用する絵の魅力と、近藤るるるに少し似たコメディとしてのおもしろさ。プラスゲーム愛。
16位:御形屋はるか『ぽてまよ』
休刊した雑誌『もえよん』からの刺客。ほんわかした特徴的な絵に合わせた話作りがなされていて好印象です。似た特徴を持つ作品としては青樹うめ『ひだまりスケッチ』が挙げられますが、こちらのほうが個人的には好みでした。
17位:しおやてるこ『Pocket』
絵のハンデ(と言ってしまっていいと思う)をものともしないキャラ作りのうまさ。読みながらごろごろ悶えました。
18位:西田理恵『部活動』
よくわからないことばかりする部活動(部員三名)の顧問になってしまった教師が振り回される漫画。明らかにおかしいキャラクターばかり登場するパワフルなギャグ漫画です。おそらくほとんどの人が知らないと思いますが、これは自信を持っておすすめできます。
19位:山田玲司『絶望に効く薬』
インタビュー漫画なのに相手よりも前に出ずにはいられない作者の熱意は正直うっとおしくもあるのだけれど、それでも読まされてしまうパワーがこの漫画にはあります。
20位:きづきあきら『モン・スール』
身を切られるような痛みと、それを真正面から見すえて一歩を踏み出す勇気と。心に迫るラストシーンは一生忘れない気がします。
番外:keraさんの漫画『天からノリコ』『ぱえりあ』
アマチュアから一人。サイト「eso aparte」または同人誌に掲載されています。本当に大好きな漫画家さんで、僕がコミティアに行くきっかけとなりました。ピュアレの絵を描いていただいた色紙は宝物です。
以上、全二十作+α。他にもおもしろかった漫画はいっぱいあるのですが、涙を呑んで落選させました。基本的に04年以前から続いている漫画の続刊は優先順位を低くしてあります。そうじゃなかったら『おおきく振りかぶって』も『よつばと!』も『チキタ★GUGU』も『ぱにぽに』も『がじぇっと』もランクインしたかもしれません。