石川雅之『もやしもん 2』
何故か菌が見えてしまう体質の青年沢木。変わった人たちに囲まれながら、彼の農大ライフは今日も続くのでした。
- 作者: 石川雅之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/10/21
- メディア: コミック
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うーん、すごいなあ。すごい。
菌が見えるという突飛な設定だけみれば、沢木を巡ったドロドロとした陰謀話にも、シリアスなサスペンスにも、ハートウォーミングな感動話にも十分なりえるのですが、そこら辺のことをほんの少しだけフォローしつつも、ほとんどがだらだらした日常コメディに終始しているところが上手いです。普通ならばガンガン盛り上げて行くような、話の山場でも、全然盛り上げようとせずにするっと通してしまうあたり、逆に凄みを感じさせます。台詞回しも考え抜かれていておもしろい。
欄外のコメント、カバー裏、予告や本の下の面(見ていない人は今すぐチェック!)に至るまで丁寧かつ遊び心満載に作りこまれていて、どれだけ作者と編集者がこの漫画を大事にしているのかが良くわかります。逆に言えばそれだけ自信があるということでもあるわけで。
単純に漫画としての上手さ、漫画力でいったら最高峰だと思われます。おすすめ。