ドシリアス/ほんわかコメディ、その差紙一重。 ――近藤るるる「アリョーシャ!」

アリョーシャ! 01 (ヤングキングコミックス)

アリョーシャ! 01 (ヤングキングコミックス)

アリョーシャ! 02 (ヤングキングコミックス)

アリョーシャ! 02 (ヤングキングコミックス)

 これはとんでもなくおもしろい一作です。北国エストラキアのナンバーワン殺し屋(でも十代の少女)アリョーシャ・スターリアが、いろいろあって日本で普通の女子高生になるべく奮闘する、でもやっぱりいろいろあって命を狙われたりもするので殺るときゃ殺るよ、という内容。

 暗殺者が女子高生に、というあらすじだけだとギャップを主軸にしたコメディを連想するかと思いますが、まあそれはそのとおり。でもその反面、殺し屋同士のバトルものでもあって、普通にバタバタと人が死にます。かたや楽しすぎるほんわか日常コメディ。かたやシャレにならない殺伐シリアス。食い合わせ悪そうな二要素が紙一重で隣接しているこの世界観のオリジナリティにはすごいものがあります。友達と一緒に笑ってる次のページで刺客殺してたりしますからね。そしてそれを奇妙と思わせない著者の力量。いやはや、さすが二十年選手。

 2巻も本日発売されましたが、これまたすさまじいところで終わっていて、続きが気になって仕方ない。早く3巻出ないものか(気が早すぎる)。

 著者の新たなる代表作になる予感バリバリの傑作です。読むべし。