NYLON100℃ 29th SESSION「ナイス・エイジ」

公式サイト:http://sillywalk.com/nylon/sche.html

 NYLON100℃ 29th SESSION「ナイス・エイジ」観てきました。
 結論から言うと十分な満足は出来ず。残念。

 初めて演劇らしい演劇を見た、というのが第一の感想で、今までチェルフィッチュみたいな実験劇か、青年団とか五反田団みたいな現実志向のぼそぼそ声演劇しか見てこなかったので、過剰に声を張り上げて演技しまくる役者たちが逆に新鮮でした。まあどちらが好みかといわれたら前者だったりはするのですが。
 あとこういった(一応)コメディ作品ではギャグの質が合わない時点で殆ど致命傷ですね。まあ端々では笑えたし3時間強を飽きずに過ごせたのでそれは良いです。センスの問題は仕方の無いことですし。
 もっと根本的に問題なのがラストです。僕はこの終わり方、どうしても納得がいきませんでした。それが不満、というわけではないのですけれども。

 以下ネタを微妙にばらします



<ここから>
 登場人物たちより強大な存在による処置で、それまでの全てが「無かったこと」にされる強烈なラスト。どう考えてもこれ最悪のバッドエンドで、だって運命には絶対に逆らえないってことですからね。深い深い絶望がそこに。ケラの底意地の悪さをこれでもかと味わわされることになるとは思いもよりませんでしたよ。後味最悪なのですが、何でこれ「娯楽作」とか言われてるんでしょうか。全く納得がいきません。そんなポジティブな作品じゃないよこれ。ケラは「楽しかったー」とか言って立ち上がる観客を見て内心笑ってるに違いない。
 あ、貶してるわけでは全然ありません。むしろどちらかといえば褒めてます。

<ここまで>



 というわけで決して何から何まで良い気分の観劇ではなく、楽しくもあったし得るものもあったのだけれど、4200円分楽しめたかと言われたら……うーん。
 あ、でも新谷真弓を生で見れたのは収穫でした。あのハルコが目の前に!