白石昌則ほか『生協の白石さん』
- 作者: 白石昌則,東京農工大学の学生の皆さん
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 8人 クリック: 355回
- この商品を含むブログ (825件) を見る
Q.ロックの三大要素をおしえて下さい←200字以内
A.焼酎・梅酒・ウイスキー。200字も使わず失礼致しました。
大学の生協でよく見られる「ひとことカード」。客の、生協に対する質問・意見・要望を書き込むもので、提出されたカードには担当者が回答をつけて掲示板に張り出されます。
東京農工大学の生協でもこの制度は採用されていましたが、他の大学とは一風違っていました。生協とは関係のない、ふざけた質問や人生相談のような質問にも、ユーモアを交えつつ丁寧に答えてくれていたのです。それらの質問の担当者はいつも一緒。その人は、名を「白石」といいました。
先日もふれた白石さんの本が発売されていましたので、買ってみました。
やっぱりすごいユーモアセンス。質問の細かいところを取り上げて回答の主軸にしたり、むりやり商品の宣伝にこじつけたりと、その上手さにほーとため息。いるところにはいるものですね。
質問/回答を並べるという形式では、森博嗣『臨機応答・返問自在』を思い出します。あちらは回答のキレで読ませるタイプでしたが、こちらはユーモアとほんわかした雰囲気で読ませるタイプですね。本人のやさしげな性格がにじみ出ていて、読んでいるとほっこりあたたかくなります。
作中で白石さん本人もおっしゃっているのですが、比較的小さな大学である農工大の学生の、過度に白石さんを持ち上げようとしない性質も、この本の雰囲気を作るひとつの要因だと思います。質問に悪ノリが見られないんですね。まあそういう質問を選んだだけかもしれませんが……
このまま、農工大生と白石さんの対話がひっそりと静かに続けられていけば良いですね。