タイトル競作におけるタイトルと作品の関係

 タイトル競作などでよく“タイトルと作品のマッチ具合”が評価の決め手となっている選評がある。
 僕は、どれだけその作品から自然にそのタイトルを考え出せることが出来るか、をある程度重視している。言い換えれば、仮にタイトルが指定されていなくて、タイトルよりも先にその作品が出来上がっていた場合、タイトルとしてその「指定されたタイトル」を考え付くことが出来るかどうか、である。
 そんなことをトーナメント2回戦の秋山さんの作品を読みながら思った。この作品の内容から「腐りゆく」というタイトルをつける事は絶対にない。それが僕の、そしておそらく大多数の人の判断の決め手となった。
 と、ここまで書いて、僕が秋山さんの作品のほうに票を入れていることに気づいてしまった。つまり、そんなことよりもどれだけ面白いかのほうが優先順位が高いということである。